亡くなった人の名が刻まれたパーカーを休ませながら
( 丁寧に仕舞いながら )
どれぐらいぶりだろう
朝食らしい朝食を自分で作り
写真まで撮る余裕がある朝
( 余裕なんてほんとは無いのだがわたしがこうしたかった)
体に栄養を行き渡らせながら
昭和の思い出が詰まった仮面ライダーのカップで
45年もののカップで
年老いた母
カップの中のあなたは今の私より若い
あなたの愛を思い目を潤ませながらスープを頂き
あなたの愛はやはり無償で無上だったと
偉業を成し遂げてこの世を去ったあなたもまた無上だと
わたしには何ができるのか
それを思うと無力感で涙しか出ないが
陽光の中きちんとした朝食をいただく感謝に震えながら
私はまだ旅の途中なのだ